石川県白山市の日本酒「吉田蔵 u yoshidagura」
今回の日本酒は、明治3年から現在令和2年まで日本酒を造り続けている石川県白山市の酒蔵「吉田酒造」の日本酒です。
全体的に、淡麗でスッキリとした日本酒造りを得意としている印象の酒蔵です。
その中でも限定酒を仕入れたので、そちらをご紹介します。
【u yoshidagura −山廃純米無濾過生原酒−】
数量限定販売の日本酒です。アルコール度数が13%台の優しい日本酒で、日本酒が苦手な方もとっつき易い日本酒だと思います。優しい味わいの中にも、山廃からくる酸味と旨味がバランスよく調和されています。香りはグレープフルーツとヨーグルトの香り。口当たりは柔らかく、酸味があとを追って旨味を残します。喉越しはまろやか。酸味と旨味のバランスがいいので、料理ジャンルを選ばない究極の食中酒に認定します。
原料米
- 麹米:石川門50%
- 掛米:石川門65%
- 酒母:山田錦45%
アルコール分
- アルコール度数 13度
酵母
- 協会14号(金沢酵母)
管理方法
- 10℃以下の温度変化が少なく、光の当たらない場所で保管
★日本酒が苦手な人やワイン好きな人へ
原酒なので「アルコールの味しかしないのじゃないか」「お酒!!って感じがしそう」など日本酒の悪いところばかり頭に浮かびそうですよね。しかし、原酒は日本酒そのものの旨味が凝縮している。というメリットがあります。確かに、原酒なので本来はアルコール分18%〜20%高い日本酒が多いです。
しかし、こちらの日本酒はアルコール分13%と低めなのです。かなり飲みやすい日本酒に仕上がっていて、飲み口も柔らかく白ワインに近い風味もあるのでスイスイ飲んでしまう美味しい日本酒です。なので日本酒が苦手な人、ワインが好きな人に美味しく飲んでいただけると思います
★飲みやすいだけじゃない旨味もしっかり
飲みやすいだけではないこの吉田蔵(手取川)の日本酒。なんと米の旨味もしっかりと感じれる日本酒。アルコール分が少ないので軽快な日本酒というイメージが強いですが、山廃原酒なので凄くまろやかなのです。
山廃は簡単にいうと、乳酸菌を人工的ではなくて自然に発生させて日本酒を醸造する作法の一つです。なので自然の力を利用した日本酒は力強くなる傾向があります。この日本酒の良いところは、アルコール分を低くし、日本酒ならではのしっかりとした米の旨味を再現できているところだと思います。
★地元づくしの憎いヤツ
日本酒造りに使用した酒米は「石川門」という石川県産地の酒米。酵母も「金沢酵母(協会14号)」を使用しています。仕込み水も手取川の伏流水と全てが石川県産の日本酒で仕上がっています。uは「優」の意味も込めたそうです。飲み手にも地元にも優しさを感じれる。そんな想いが伝わってくる日本酒です。
★究極の食中酒
前途説明した酸味と旨味のバランスがとても良く、甘口でも辛口でもない、中口の位置付けにあると思います。中口のメリットは料理ジャンルが関係なく、いろんな食材、料理に合わせやすい日本酒だという事です。中華料理の香辛料も酸味と淡麗な飲み口とマッチングし、洋食の複雑な味付けも日本酒の旨味がアドバンテージとなり、味わいを引き立たせてくれます。和食は、刺身・天ぷら・唐揚げ・煮物など、醤油とみりんの相性もバッチリです。そんな吉田蔵(手取川)u yoshidaguraシリーズの日本酒は究極の食中酒に僕の中で認定させていただきました。